鳥を飼う男 〜マグリットプランⅢ〜
出かけることだけは
決まっているんだ
でも
どこに行くかは
鳥たちに聞いてくれ
歓迎された
ライオン
ライオンに
気づかぬ
鳥たち
オレだけが
おろおろしている
いざとなれば
カバンの中から、
いや
最後の手段は
口にするまい
沈黙こそが
唯一の調和
さ
「魅せられた領域Ⅷ」より
( pour Le domaine enchate Ⅷ )
青空とともに 〜マグリットプランⅡ〜
城が消えていった海にも
夜が来た
たとえ疲れ果てていても
彼には
昼も夜もない
夕暮れも夜明けもない
そこまでする理由は
ただ一つ
「待っているから」
どこにいるかは
わからないけれど
「待っているはずだから」
夜空は彼を讃えて
その姿かたちに
自らをくり抜いた
彼は青空になった
青空は彼を認めて
姿かたちの大きさだけ
青空を解放した
彼は青空と重なった
この世はいつも
彼の姿かたちの分だけ
青空であり続けた
その向こうに
「待っているはずだから」
彼は今日も行く
夜空をあとに
青空とともに
「大家族」より
( pour grande famille )
カラー
草原のグリーン
空のブルー
太陽のオレンジ
混ぜる
ブラック
ニンゲン
アナタとワタシ
ソラが目を閉じた時
夜の街は目覚める
ソラが作り出す暗闇の中で
街の明かりをあてにした
アナタとワタシ
今日が終わるまで
明日を語り合う
そして
夜の街が眠りにつくころ
アナタとワタシは
アオイソラ
に溶けてゆく
今日の夕陽がさみしくて
今日の夕陽がさみしくて
小さなハーモニカ吹いている
震える空気をひっかいて
あなたの気持ちを奏でてる
誰もいないジャングルジムに
真っ赤な恐竜降りてきた
小さな鈴を腰につけ
あなたを見つめて涙ぐむ
真っ赤でさみしい夕焼け空は
錆びた鉄塔がよく似合う
今日の夕陽がさみしくて
田んぼのあぜ道歩いてく
あなたの明日を知っている
少年が住む鉄塔まで
かすかに揺れるブランコは
トカゲの親子を乗せている
切れた尻尾の躍動が
今日と一緒に終わるまで
赤くてさみしい夕暮れに
グレープソーダは似合わない
今日の夕陽がさみしくて
ぼくを消してと泣く少年
哀しい二番の歌詞にある
サビの部分の繰り返し
赤く染まった公園で
あの少年も消えてゆき
ふわりとゆれるブランコは
遊び相手を探してる
真っ赤でさみしい夕焼けが
うさぎのまなこに映ってる