104hero〜詩を書く人〜

104heroがつらつらと詩を乗っけていきます。

Color Variation

「Color Variation」

 

UFOを呼べると信じている少年は

あなたと同じ瞳の色だった

 

曇り空の向こうからやってきた青い鳥は

人類の幸福なんて気にしてない

 

機械の音がボクを未来に押し出して

昨日までの全てを冷凍させる

 

ここが世界の中心ならば

どの道を進めばいいのだろう

 

ボクが目指す何かは

どこかに存在してるのか

 

見えない明日に隠れているのか

 

カラスと密談している少年が

あなたをどこかに連れて行く

 

他の色を飲み込んだ青空は

夕陽に負けて燃え尽きてゆく

 

毒に侵された川の流れが

ボクを過去から引き剥がす

 

ここが世界の果てならば

あと一歩先へ進みたい

 

ボクが目指す何かは

此処にはなくて

 

心を掻き回しても見つからない

 

※元は2015.06.30の創作。今回少し改変してます。所々面白い表現はあるけど、全体的にはあんまりまとまってはいないかも。

jupter hierophany

「jupter hierophany」

 

 

           木星

        おける

    聖なる

        ものの

           顕現

 

 

彼は針をなくした時計の下で

うつむいてます

 

あの日から太陽は

凍りついたままだから

 

ガニメデの気まぐれを

数えていこう

 

エウロパのときめきも

数えていこう

 

イオの3番目のラッパが

なったら合図だよ

 

カリストのいる丘に

紫色の雲がかかったら

 

さようならの時間

 

 

※PCに入ってたのを、蔵出しで。2015年の日付が。多分どこにも出してないし、読んでもいない・・・

薔薇の小径

「薔薇の小路」

 

捻転するトルネード

 

薔薇の花びらはもう

遠心力に押しつぶされて

エッセンスだけになっている

 

それは柔らかな歴史のメリーゴーランド

それはカオスを生むスパイラル

 

香りだけが主張する薔薇の

色や形は全て渦の中

 

薔薇の小径は今日もいざなっている

明日でもない

昨日でもない

時間の花園へ

 

2015.09.22

 

※掲載にあたり、題名の表記を改定しました。

トライアングルアイ 〜手塚計画3〜

 

わたしたちよりひとつ多い目は

なんでも見えると思うでしょう

 

でも

アカルイアシタが見たくても

悲しいや苦しいが見えてしまう

 

みんなとひとつ

チガウだけ

 

みんながあっちで

笑ってる

 

わたしたちよりひとつ多い目で

見ることのできないその笑顔

 

アカルイミライが見たいのに

みっつじゃまぶしくてよく見えない

 

アシタだけを見たいから

ふたつじゃなくてみっつある

 

みっつで見たい

空もある

 

だから

 

トライアングルアイ

朝だから朝焼けだと決めつけるにはまだ早いと密かに想う男を追いかけて ~手塚計画2~

誰もいない一本道を

いつも独りで歩いてきた

振り返ることは

もう忘れた

JAZZのように

歩かなくなってから

どれくらい経ったか

わからない

Swingもしない8beetで

歩いてゆく男

  (彼は     )
  (不本意ながら )
  (黒いマントを )

  (なびかせてます)

彼は
自分だけが
闇に包まれてると
思ってる

本当は
光の粒に囲まれているのに

幼い頃の傷跡も
その光の粒がかき消していくのに 

懐の刃だけが
今日もまっとうな仕事を
してきます

  (彼は     )
  (不本意ながら ) 
  (黒いマントを )

  (なびかせてます) 

そして
小さな女の子の手を引いて
十字路を左に曲がる男がいたら

それが彼です

アトムが見た夢 ~手塚計画1~

誰かがボクの頬に
雫を垂らす

眼を開けなくてもわかる
そのカナシミ

  (カガクノチカラ )

でも本当にカガクが
カナシミにカテルのかは

わからない

ボクのカラダに電気が走り

  (ビリビリと) 
  (ピカピカと)
  (ウィィンと) 

大きな力を授かりました
でも
すべてのカナシミは 
受け止められない

すごい力を手に入れました 
でも
なにができるか
わからない

素晴らしい力をもてあまし
ボクの今日は終わってく

スウィッチを切って
眼を閉じれば、

ららら・・・

大冒険の始まりだ

水辺の二人 〜マグリットプランⅣ〜

青空の下を

二人は歩いていた

雲の形を

話題にしながら

 

池の近くには

白いアパートメント

灯火が

水面に映り

 

          ゆふらりら

 

暗闇の中から

突き出た

一本の木は

 

地上の親愛には

なんの関心もなく

青空に憧れるばかり

 

その先にあるものは・・・

 

          誰も知らない

 

灯火がゆれる

水面を

覗き込む勇気が

持てない二人

 

水面に映り込むものは・・・

 

          言葉にできない

 

輝きが支配する

帝国の面影は。

 

     「光の帝国」より

     ( pour L’ empire des lumieres )